7.野鳥に関する用語解説
野鳥に関する用語は、結構有ります。
初心者の野鳥撮影には、あまり関係ないと思われるかもしれませんが
知っておくと、他の撮影者とのコミュニュケーションにも
役立つ時も有りますし、先般申し上げた野鳥の事を知りたい時にも
役立ちます。知っておくと役に立つ用語です。
・種、亜種、型
種は動物分類の基本単位で、他の同様の生物群から生殖的に隔離されたもので、一般的には野鳥の呼称に使用します
同一種の中で形態的、生態的に異なる個体群を一般的には「●●型」と表現します。
亜種とは同一種内の地理的品種です。
・成鳥
それ以上、成長による羽色の変化が起こらない年齢の鳥。生まれた翌年に成鳥になるものから、数年間かかるものまでいる。
撮影者が良く解らない鳥を写した時に起こす錯覚です。
・幼鳥と若鳥
生まれてから第一回目の換羽(通常は生まれた年の秋)を行うまでの間が幼鳥。第一回目の換羽から成鳥羽になるまでの間が若鳥。
・夏羽
鳥が春から夏の繁殖期にもつ羽。一般的には美しい羽色である事が多い。生殖羽とほぼ同義語だが、種類によっては冬に生殖羽となるものもいる。
・冬羽
鳥が秋から冬の非繁殖期に持つ羽。一般的に地味な羽色である事が多い。非生殖羽とほぼ同義。夏羽と冬羽の区別がほとんどないものもいる。
・飾り羽
繁殖期一部の鳥の頭部や顔、胸、背等に見られる装飾的な羽。
・エクリプス羽
カモ類のオスが、繁殖後からつがいを形成する冬までの間にもつ、メスに似た羽
・換羽
羽毛が抜け変わること。普通、繁殖後の秋にほぼ全身の換羽を行うが、種類によっては一部だけ換羽したり、繁殖に関係なく少しずつ換羽するものもいる。
・留鳥
ある地域で一年中見られる鳥。日本全体では留鳥でも、地方によって漂鳥になる鳥もいる。
・漂鳥
季節によって日本国内を移動する鳥。主に冬に北の地方や山岳地から暖地や平地に移動する。
・夏鳥
春に日本より南の地域から渡来して繁殖し、秋には南の地域に渡去して越冬する鳥。
・冬鳥
日本より北の地域で繁殖し、秋になると越冬のために日本に渡来し春に渡去する鳥。
・旅鳥
日本より北の地域で繁殖し、日本より南の地域で越冬する鳥で春と秋に日本を通過する。
・迷鳥
何らかの理由で、本来の分布域や渡りのコースを外れて日本に渡来した(迷行した)鳥。
・さえずり
繁殖期に主に野鳥類のオスがだす美しい鳴き声。多くは一定のパターンを持つ。
・地鳴き
さえずり以外の鳴き声。単調で短いものが多い。仲間同士の意思疎通等に使う。
・ぐぜり
さえずりに似た小さな鳴き声
・ドラミング
繁殖期にキツツキ類が木をつついて出す連打音やキジ類が出す羽ばたき音等を言う。
・聞きなし
鳥のさえずりを適当な言葉に置き換えて、覚えやすくしたもの。
・ディスプレイ
求愛やなわばり維持のために行う、儀式化された行動。鳥の種類によってさまざまなものがある。飛びながら行うものがディスプレイフライトで、さえずり飛翔もその一つ。
・求愛給餌
求愛ディスプレイの一つでオスがメスに食物を与える。その後交尾を行う事も多い。食物を与えるかわりに巣材を渡す種類もいる。
・コロニー
集団営巣地のことで、それぞれの巣は密集する。水鳥などに多い。巣同士の距離が比較的離れたルーズコロニー、複数の種が同じ場所に営巣する混成コロニーもある。
・繁殖
多くの鳥は一夫一妻で繁殖するが、一夫多妻や一妻多夫、多夫多妻といった繁殖形態をもつものもいる。
・托卵
多種の巣に卵を産みつけ、その宿主に雛を育てさせる習性で、カッコウ類に見られる。
・ヘルパー
ある巣において親以外で育雛を手伝う個体。同じ親の前年の子や、その年の繁殖に失敗した成鳥がヘルパーになることもある。
・モビング
巣などに近づいた天敵に対し、親鳥や他の成鳥が集まって騒ぎ立てるなどして追い払う行為。実際には攻撃しないので偽攻撃ともいう。
・擬傷
巣の卵や雛に天敵が近づいた時、親鳥がまるでケガをしているかの様に振る舞って、天敵の注意を引き、巣から遠ざける行動。
・ねぐら
鳥が寝るところ。樹木の茂みや藪、樹洞、人家の軒下や人工的な構造物など、種類によってさまざまな場所を利用する。非繁殖期には集団ねぐらを作るものも多い。
・混群
非繁殖期に複数種の作る群れ。良くみられるものはカラ類の混群でシジュウカラ類数種に、エナガやメジロ、コゲラなどが加わる。
・擬態
鳥の場合、体を伸ばした状態で静止して、草むらや木陰に紛れて身を守ることを言う。またジュウイチやツツドリのように、ワシタカ類のハイタカに姿が似ているものも擬態の一種とされている。
・羽繕い
羽毛の形や配列を整えること。又尾脂腺の分泌物を塗り防水性や抗菌性を高める。水浴びや砂浴びも汚れや寄生虫を取るのに役立つ。
・ペリット
肉食の鳥類が獲物の骨などの未消化物を固形状にして吐き出したもの。